人ニシテ人ニ非ズモノ
NOAH武道館大会
客観的には成功といえる興行でしょう。ですが個人的な満足度としては60%
合格ではありますが・・・というレベルです。良い所もあり、満足できなかった所もある。ではそれを書いて行きましょう。まずはトピックから。
・意外な挑戦者(第一試合)
・妹は巨大化(第五試合)
・生ける伝説(セミ)
・馬鹿力は身を助く(メーン)
それでは第一試合から。百田さんと永源さんのいつもの風景です。いつもの風景をいつもながらに楽しむ。これもまたNOAHの日常風景。強いとか弱いと言うものばかり見ている次元ではこの試合は楽しめない。が、今日はいつもとは違う風景が発生した。永源さんがジャイアントスイングで19回転!!もした・・・ではなく、百田さんに勝ってしまったのだ。瞬間どよめく武道館。ファンはこれが非日常風景である事を知っている。そして事件が起きた。永源さんがマイクを握る。新年の挨拶か?と、思った瞬間衝撃の発言が生まれた「マルフジー!!」そう、丸藤が所持する白GHCベルトへの挑戦表明。恐るべき挑戦者。丸藤は永源さんを相手に試合を成立させなければならない。それも選手権としてお客さんを納得させられる内容で。こりゃあ難敵ぞな。
第二試合、ダークエージェント対泉田・菊地・川畑。菊地と泉田がコミカルな演出で客を暖めつつ、ダークエージェントと因縁深い川畑さんが中心となるいつもの風景。まぁ前座的には程よく楽しく見られた。でもちょっと雅央不足。
第三試合は前二試合と打って変わってJrメンバーによるスピーディな展開の試合が行われた。ドラゴンゲートによくあるお約束をふんだんに盛り込んだものだが、これはこれでヤオとか言ってはいけない。これもまたプロレスの魅力。最後はSUWAさんが美しいフォームからのFFFで鼓太郎を沈めた。試合展開も早かったが試合時間も早かった。
ここで、前半戦終了。休憩に入る。ここまでの流れはいつもと同じ。第一試合でのんびり暖め、第二試合でオーソドックス&コミカルな試合。第三試合は華やかでスピーディーなプロレス。いつも通りでありいつも通り楽しむお客がいた。そうそう、当然のごとく武道館は満員盛況。これもまた日常風景。
第四試合、潮崎豪教育マッチ。
しかし今回の相手は中々の難物である。押しても引いても休火山中の田上さん。冗談が一切通じない佐野さん。この2人を相手に試合を盛り上げれるのは潮崎でなくても難しい。実際の試合はどうだったかと言えば、それなりに努力した。だが全然良さを発揮できず、相手の良さも引き出せず。何も残せない試合となってしまった。だが、相手が悪いだけに仕方が無いとも言える。やはりこれまで評価されてきた試合はどれも対戦相手の引き立てがあっての事だったと本人も観客もまざまざと知る所になったのではないだろうか。
潮崎は田上さんにのど輪を仕掛けようとした。プロレス界において相手の得意技を仕掛けるというのは挑発行為である。これにはさすがの田上さんもカチンと来たらしく力の差を見せつける。ただし、田上さんは相手を光らせるような事は一切しないので、淡々と潮崎を踏みつぶす。潮崎なす術無し。変わって佐野さん。相変わらず痛みのわかるプロレスを展開。容赦ない攻撃で潮崎をシバキ倒す。シオシオなす術無し。パートナーの多聞さんも本来塩気の強い人なので、交代しても盛り上がらない。
これといって盛り上がりの無いまま潮崎が仕留められて終了。潮崎は早くも七番勝負が決定した。だが、今日のような出来ではまだまだ。相手に光らせてもらうのではなく、どんな塩い相手でも光らせる。デビュー数ヶ月の選手に要求する事ではないが、潮崎にはそれが求められている。
第五試合、森嶋猛復帰戦。
プ板では妹系だのエロバディだの不思議な扱いを受けている笠木忍こと森嶋猛。世界でも屈指のバックドロップ使いだったものの半月板を損傷し長期欠場を強いられた。その森嶋が帰ってきた。入場、場内がどよめく・・・デカイ!! 秋山が言っていたとおり間違いなくサイズアップしている。元々がデカイかっただけにその迫力は凄まじい。しかし・・・場内の誰もが思っただろう。「動けるのか?」私もこれは無理だろうと。しかしその予想は全く裏切られた。
「怪物である」
こう表現していいだろう。というかそう言う他に表現が見当たらない。少なくとも当たりの強さ、迫力という点で国内選手に該当者を見いだせない。雰囲気で近いと言えばグラジエーターぐらいだろう。だがそのグラジより迫力がある。それほど強い。パートナーの丸藤が全く子供芸に見えてしまい、橋では全く歯が立たない。まるで山のようであり壁であった。秋山との絡みは多くなかったが、秋山とて苦戦するだろう。潜在能力と必殺技は誰もが認める所だったが、精神的な弱さと試合作りの下手さが弱点であった。だがこれだけ迫力を増してしまえば、少々の弱点は消えてしまいそうだ。森嶋がヤバい。
ただ心配なのはバックドロップにキレが無かった。
第六試合、GHCJrヘビー選手権
非常に期待していた試合であった。場内は盛り上がっていた。だが私は冷めきっていた。金丸は相手の攻撃を受けて受けて受けるというスタイルでやって来た。ライガー戦もそうであり、杉浦戦もそうであった。タフなのは認める。だが受けきった後の盛り上げ方が著しく下手である。これがずっと気になっていた点だった。この試合は残念な事にその悪癖が強く発揮されてしまった。
金丸は高岩の繰り出す無茶な攻撃を受けた。受け続けた。だが受け一辺倒であるが故に、金丸がただ単に弱い人に見えてしまう。そして受けは天下一品なだけにどんなものを喰らっても死なない。観客は驚きの声を上げても、私的には返すのが見えているだけに何も驚きが無い。そして散々喰らったあげく地味な反撃が始まる。あれ?あれ?あれ?とこれといって盛り上がりの無いまま終わりそうな雰囲気に。悪評高き垂直落下オンパレード。実に五発連発。最後に雪崩式。必殺技の希少性も価値もあったものではない。
強いのはわかる。タフなのも認める。だがこんな試合展開と終わらせ方では盛り上がれない。他の客が盛り上がっていてもだ。
第七試合、天龍源一郎
金丸戦が終わり、場内の照明が落とされるとどよめきとともに歓声があがる。天龍源一郎を期待する声。五十を幾つも越え未だ現役。それも第一線で戦い続ける生ける伝説。それは知っている。だが、どれだけ凄いのか、どれほど凄いのか、私は知らなかった事を知る。
この試合は力皇の活躍に期待していた。次代のNOAHを託す人材として生ける伝説を凌駕するパフォーマンスを期待した。だがどうだっただろう。天龍さんの圧倒的な存在感に全てを打ち消されてしまった。
百田さんや永源さんや荒川さんのように前座でコミカルな部分を見せる五十代もいる。海の向こうには名人芸をもって観客をうならせるフレアー御大のような五十代もいる。ホーガンのように衰えてもギミックだけで観客を沸かせる五十代もいる。だがしかし、どの選手をとってしても「最強」を争う五十代はいない。どんな優れたアスリートでも老化と言う生理現象を前には太刀打ちできない。トレーニング如何によっては筋力を維持することも可能かもしれない。だがスピードは? スタミナは? 理論上五十代で若者を凌駕する事が出来るはずがない。だが目の前にいるおばさんパーマはなんなんだ。人智を超越した存在、人にして人に非ずもの。それを人は神と呼ぶのだろう。
第八試合、馬鹿力は身を助く
難解な鈴木みのるという相手に小橋がどうでるか。はたまた鈴木みのるは小橋の領域に踏み込むのか。この試合の評価は見た人の好みによって分かれるでしょう。私は否定的。予定調和と言われようが、プロレスらしいわかりやすい流れの方が楽しめる。このような戦いはそれこそ新日向き。小橋にはこういうのは似合わない。でもまぁ二人とも納得したらしいので良いとしよう。
総まとめ
天龍さんの迫力の凄まじさは観客皆が感じたようで、帰りの群衆の間で「GHCヘビー挑戦者」という言葉が漏れていました。天龍さんをきっかけに健介ファミリーの参戦という流れになるかと思えば、ゴットファーザーがまず第一に来るかもしれません。しかし次期挑戦者は力皇に決定。みのる戦後のリング上インタビュー中に乱入。「次、オレでいいっすよね」といかにも力ちゃんらしい挑戦表明に小橋も快諾。先日の札幌で土をつけられた経緯がありますからこの流れは当然でしょう。だが力よ、天龍さんに消されるようで小橋を超えられるのか? 求められる答えは善戦ではないぞ。
その天龍さん。何度も言うように迫力が凄く、その典型は逆水平チョツプだった。NOAHでその使い手と言えば小橋建太その人である。小橋の方が凄い・・・と言いたい所だが天龍さんの方が重みがあるような気がする。そして実はこの両者に肉薄する逆水平を打っていた男がいる---森嶋猛だ。
私が今回の興行を低評価にしているのは私の望んでいた結末にならなかったが故。森嶋には秋山からピンを取って欲しかった。力皇には天龍さんからピンを取って欲しかった。金丸には2003.5.2高岩VSロウ・キー戦を超えて欲しかった。その願いは叶わなかった。だが客観的に見れば熱戦ばかりであった。
次の東京公演は2/20後楽園。次回武道館は3/5。3/5は確定として後楽園はどうするかな? ぶっちゃけS席ばかりで見ているとお財布が軽くなる。安い席で見るくらいならG+でも良い気がするし。はて、どうしよう?
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